18fd698a.jpgこんにちは。

電車の乗っていて、たまたま向かいの座席の隣同士に座った、おそらく赤の他人がなんとなく似ているときってありません?

自分はなぜか、そういうシーンをよく目撃します。

ま、だからなんなんだと言うことはないんですが(笑)。
さて風俗アルバイト疑惑で揺れるスノーボード業界ですが、さすがに6月ともなれば国内ではシーズンも終わり、海外組のライダーも帰国してサマーキャンプまで一息ということで、この時期を利用してメーカーまわりをしたり、契約更新というライダーも多いんじゃないでしょうか。

アメリカなんかだと2月のビジネスショーに間に合わせるために、12月に更新というメーカーが多くて、この場合ライダーが継続なら問題ないんですが、万が一移籍した場合は、途中でいなくなったプロのプロモデルをそのシーズンは引き続き売らなきゃならなかったり、前もってライダーが新しいメーカーと水面下でプロモデルの開発をして、移籍と同時にレイトで出したりして、同じシーズンに2つのメーカーからシグネーチャーが出てるなんておかしなことになってしまいます。

3月から夏場にかけての契約だと、その部分では問題はないんですが、新しく契約して撮影というとニュージーランドに行くしかなかったり、次のシーズンのビジネス計画に直結しにくいという反面もあり、ま、痛し痒しってとこでしょうか。

ライダー契約といえば、謀雑誌にも「スノーボードはまだ歴史の浅いスポーツで、賞金や契約金だけでは、なかなか生活できない・・」等々ということが書かれていましたが、実際、大会の賞金だけで生活しようとしても、USオープンとか海外のでかい大会で勝ちまくれば別ですが、国内を転戦するぐらいではまず不可能ですし、昨年の暖冬の影響で売上げが軒並み下がり、メーカーもリストラしたり厳しい状況なのでメーカーの契約金はどこも渋いという話も耳にします。

これでは、プロライダーを目指そうなんて思う人は、これからどんどん減ってしまい、結果的にだんだんと業界が衰退してしまいます。自分もメーカーの端くれとして申し訳ないな〜という気持ちと、金が無い(笑)という現実のいつも板ばさみです。

本当はメーカーどうしがもっと協力して、スノーボード業界全体を盛り上げてゆかないとだめなんですが、最近は以前にくらべてそういう動きも少なくなったように思います。

ま、そんなメーカーサイドの事情を棚に上げて言うのもなんですが、先日ある若手のプロライダーが人を介して、「これぐらいの金額がでれば、おたくのボードに(移籍して)乗ってもいいですよ」と言ってきました。

丁重にお断りしたんですが、最近は少なくなりましたが、まだこんな人がいるのかと、ちょっと悲しい気持ちになりました。

たとえば若手のスノーボーダーが大会で優勝したり、年間を通して大会で好成績をあげたとします。するとまわりのスノーボーダーたちから、「○○はタマラン」とか、「○○は最近ヤバイらしいぞ」と、注目を浴びるようになります。

そのうち、雑誌なんかでよく取上げられているプロと一緒に大会に出るようになり、「オレのほうがノレてるな〜」と思うようになります。

それまで目立たなかった中で、自分が一歩抜け出たような気になってくると、今まで声もかけてくれなかったメーカーの人や雑誌社の人が声をかけてくるようになり、やがて自分がトッププロを見ていたのと同じ目で、自分が周りから見られていることに気がつきます。

それまで、普通に通って道具を買っていたショップのオヤジの口の利き方が変わったり(ショップのオヤジの性格にもよりますが)、コアなお客さんから「○○さんですよね、握手してもらっていいですか?」とか「DVD見ました、ファンなんです」などと声をかけられ始めます。

知らない他人が自分に興味を持っているというのを実感し始めたころ、メーカーから「うちのボード使ってみない」とか「ブーツはどこか契約してるの?」などと声もかかり、さらに雑誌社の人から「取材お願いします」とか「特集したいんで写真を持っていそうなカメラマンはいませんか?」と言われたりもするでしょう。

ま、だいたいがこんな流れでメジャーになって行くんだと思います。

そして、ここからなんですが、この人がハンカチ王子とは言いませんが、普通の感覚を持っていれば、メーカーともいい関係を作って自分の才能を伸ばして行けるんでしょうが、世の中の流れを見れない、考えられないタイプだったとしたら、ただの勘違いライダーになってしまい、結局メーカーやメディアからもそっぽを向かれ才能を自分で潰してしまうことになりかねません。

そういう勘違いライダーは、たとえばこんな事を言ったりします。

「これっぽっちの契約金じゃ、自分の予定している大会を転戦できない」、「Bというメーカーはプロの○○にこれだけ出してるらしい。なんでオレがこれだけなんですか」とか、「商品提供だけじゃ嫌です」とかね。

もちろん、プロ(トップアマもメーカーサポートをもらったり、スノーボードで生計を立てている場合は資格関係なくプロと言う表現にします)なんですから自分を安売りする必要はないし、自分の夢の実現のためには道具もお金も必要ですので、その気持ちもすごくわかるんですが、たとえば商品の提供だけだとしても、それにはコストがかかっていますのでただではありません。それを自分が使うことで、影響力を発揮して、その原価分の売上げに貢献して初めてイーブンです。

たとえば他のスポーツを見てみるとどうかというと、たとえば野球やゴルフなんかは信じられないぐらい景気のいい数字が並んでいます。

なぜスノーボードのプロは彼らのように契約金がもらえないのか?

日本人のスポーツ選手としてはトップクラスの稼ぎがあって、ミヤモトの友人の友人であるレッドソックスの松坂大輔くんと比較してみると分かりやすいかもしれません。

彼は移籍金を除くと、6年60億円(5200万ドル)の契約金と言われていますので、単純に割れば年間10億円です。

日本全国で彼を知らない人はほとんどいないでしょうし、それにアメリカのファンやその他の野球のさかんな国のファンをあわせて、少なく見積もって2億の人が彼のことを知っているとすれば、割ってみれば一人あたま5円になります。

もし貴方がそこそこ有名なプロスノーボーダーだとして、日本中で何人が知っているでしょうか。ゲレンデをはなれて、普通に街中を歩いていて何人が「あの人見たことある、誰だっけ?」とか、「あっ、プロスノーボーダーの○○や」と気づくでしょうか。

そのライダーを知っている人の数に5円を掛けてみたら、提供されている商品の原価になるでしょうか? ましてや契約金になるでしょうかという話です。

仮に1万人の人が知っていたとして、ようやく5万円。板1本か2本の原価にしかなりません。そして、さらには知っているだけでなく良いイメージを持ってもらっているかということまで考えると、もう大変ですよね。

さらに、もし貴方がライダーとして100万円の契約金を貰っているとしたら、20万人の人に認知してもらわなければなりません。

そんな事を考え出すと、メーカーはライダーと契約するのがアホらしくなるし、ライダーもこの先やってゆけないな〜と暗い気持ちになってしまいます。

それでもメーカーもライダーもギリギリのところでがんばって続けているのは、きっとみんなスノーボードが好きだからなんでしょうね。

以上、今回は真面目なコラムでした!

次回は、ではライダーはどのようにメーカーと付き合えばいいかという裏技満載の続編、「メーカーなんて、なんにもしれくれませ〜ん(笑)」をお送りします。